『電気じかけの俺たち:原子力の腹の中で2』
写真は、Pasila Libraryにあったオブジェ。赤ちゃんから、てっぺんのお年寄りまで。本の山をよじ上って行くんだよ。てっぺんのお年寄りが写真に収まりきってなくて、、ごめんなさい。
中尾ハジメ先生の新刊書『電気じかけの俺たち:原子力の腹の中で2』(SURE、2012)をやっと、IFLAに向かう飛行機の中で、読むことができました。これは、、すごくよかったです。以前、『原子力の腹の中で』の読後感を書きましたが、うーん、今回の2冊目の方が、迫力アップしているかも、という感じで、よいかもしれません。読み終わって、プレゼントしたい友人たちの顔が浮かびましたもの。
冒頭の「はじめに」以外はすべて、複数の人たちと中尾先生の対話の記録で、会話だからこその迫力があるのですが、一方で、さいしょは、読みながら、“うー、これはすべての発言にいちいち裏をとりたくてたまらなくなるな”と(研究者の性ですかしらん)思ったのです。注釈が付いていない状態で、次々と私にとっては新しい情報が提示されるので、えー、そうなんだ、、すごい話だな、、、でも、、、、ほんと?とかっていう感じで、はじめは若干追い詰められました(笑)。でも、中尾先生が、この私と同じようなことをいつも考えていらっしゃるということがわかって、そうやってずっと丁寧に(もちろん私なんかよりもですが)、原発をはじめとして環境の問題について中尾先生が真摯に向き合ってこられたとわかるくだりが後半にあったのです(p.132)。それで、このあとは、今は、中尾先生の情報については、信頼しつつ読み進めることにしました。リテラシーをいつも発揮すること、クリティカルであること(あり続けること)っていうのは、大変なことですね。正直、しんどい、から、やらなくなる。。最期は、その、言っている人を信じるか、ということなのでしょうか。
ちょっと最近、ブログを書き続けているので、、あとは一点だけ。この本の「SPEEDIから何が判断できただろう」(p.93-103)は、情報公開と社会の形、そして情報格差と、情報の判断に関わる教育、についての大変、重要な議論になっています。いわゆるインフォメーション・リテラシーの育成に関心をもっておられる方は、ぜひ読むべき、と思います。
入手は、SUREさんから直接かと。
そういえば、現在、昨年度に行った連続講座の記録集を作成中です。こちら、ゆくゆくはわたくしの勤務校で現在準備中の学術リポジトリで、無料で公開したいと思っています。