フランスの学園モノ映画

 久しぶりにフランス映画を観た。「パリ20区、僕たちのクラス」
 ここ数年で、フランスの学校図書館の紹介が増えているので、フランスの学校についても知りたいと思われた方にはお薦めかも。パリの中でも移民の多いエリアの中学校のお話。私はフランスの学校を訪問したことはないので、勉強になり、考えさせられた。
 どこかでいつかも紹介したことがあるが、ドイツ人の友人が、学校では徹底的に、自分を言語で表現することを学ばされる、と言っていた。この映画の教室もまさにそれ。主人公はフランス語の教師なのだが(これを「国語」の教師と訳している)、この学校の場合は、移民が多くて、外国語としてのフランス語の授業のようになっている。教師は、目標を、生徒たちが自分をフランス語で表現できるようになることを目指しているように見える(それもつらい生徒には、写真にキャプションを付けるようencourageする)。
 クラスが小さいということもあるが、日本の教室では私が知る限り考えられないような、教師と生徒の間の丁々発止のやり取りが日常であるように描かれている(これを学級崩壊ととらえるべきかどうか...)。教師と生徒の関係は、一人ひとりの人間が個性むき出しでぶつかりあっているように見える。一方で、ある一線を超えると、あっという間に責任を取らされて処分されてしまう。ふだんはかなり自由に生徒に発言を許しているが、それが学級や学校の秩序を乱すと、学校は規律を学ぶところだという警告がされ、それでも改められなければ責任をとらされ処分されてしまう。日本だったら、もっと根気よく、教師と学校は、問題行動のある生徒と付き合うように思う。もっともこれは2時間ほどの映画なのでね。ちなみに主人公の教師は、この映画の原作者だとか。なんと!
 あと驚いたのは、学期末の成績つけの会議に、生徒代表が出ていること。挙手により発言もできる。生徒に権利も責任もあるんだよね。
 学校図書館らしき部屋も出てくる。なんと、職員会議の部屋として。たぶん、あの部屋は学校図書館ですね?