テュービンゲンとシュトゥットガルトの大学図書館

 昨日,書きましたように,ドイツに来た主な理由は,シュトゥットガルト・メディア大学で開催されているサマースクールの見学でしたが,この3日で,テュービンゲン大学の図書館,シュトゥットガルト・メディア大学の図書館,そしてシュトゥットガルト大学の図書館と3館を見学できたので,簡単なメモを残しておきます。
 テュービンゲン大学,創立1477年…ってほんとかよ!と思ったら,街の本屋さんの屋根に,創業1596年って。どうやらほんとだね(笑)。立教大学で,こちらの大学の4週間のサマースクールに行くというプログラムをしていて,その関係で知った大学なのですが,ドイツに着いた翌日,電車とバスを乗り継いで,行ってみました。ツイート(@RUL_Dean)もしましたけど,とにかくこちらの図書館は混んでいて,学期末ゆえでしょうが,もう大変なことになっていました。席がすべて埋まっている。この図書館,増築をしたのか,違う建物と後からつなげたのか,いくつかのブロックに分かれているのですが,すごくよくできていて,入ってすぐの1階はちょっとおしゃれなカフェテリアでまず,あふれんばかりの人が勉強したりごはん食べたりにぎやかにやっている,そして2階にあがって図書館に少し入っていく雰囲気になると,最初はリラックスした開放的な空間にいくつものソファと職員の方たちがいるサービスデスク。そしてもっと奥に行くとどんどん静かな,書架と勉強机が並ぶスペースへ,と移っていく。建物は古いし,すごく混んでいるんだけれど,とってもいい雰囲気でした。ちょっとだけおしゃべりしながら,(これはたぶんだめなんだけど)タッパーに入れて寮からもってきたフルーツを口に運びながら勉強している学生たちを見て,自由に使っているなあ!と。でも,学期末のこの時期の日曜日の図書館の目的は学習スペースの提供なんだから,いいよね。フルーツはにおいも少ないから,ちょっとくらいなら,いいよ!見て見ぬふりできる。書架の様子,サービスデスクの様子から,図書館サービスは専門職がデザインしているだろうことが推測できた。ドイツのライブラリアンシップはやっぱり底固いなって印象を受けました。

 その次に見たのが,シュトゥットガルト・メディア大学の図書館。こちらの大学,実は,2001年に,100年以上の歴史をもつ印刷に関する専門大学と,1942年創立の図書館学の専門大学が合併してできたそうで。今の立地にはもともと,印刷の大学の方があって,図書館学は今の,かの有名な,シュトゥットガルト市立図書館のあるところにあったとのこと。そこはもうシュトゥットガル中央駅の近くで,ビル街なので,今の,緑あふれる立地,でも交通の便も悪くない,という場所はいいなって私は思いました。こちらの図書館のビルは,ツイートもしたので見ていただけているかもしれませんが,まだ建てて数年ということで,近代的な,新しい建築。図書館の中も,とってもおしゃれで洗練されていて,素敵でした。OPACなんかは,iPadをスタンドに立てている(写真参照。この写真の右側の曲線は2階に上がる階段)。そして,新しい,スキャナ。コピー機はある?と聞いたら,すんごい奥まった隅っこにあって,スキャナの方が利用者が多いのかなって感じがするくらいでした。このスキャナ,USBに落とす形だそうですが,その後,テュービンゲン大学の図書館でも同じ会社のものを何台も見かけました。テュービンゲン大学の図書館では,コピー機は見かけなかった。
 シュトゥットガルト・メディア大学は,新しいのに,ラーニングコモンズにあたるスペースは,別棟にありました。ラーニング・センターと,案内してくださった先生は英語で表現していました。こちらは,いろいろな形の椅子,机を置いて,なるべく自由に学べるような空間にしたとのこと(ピンクの大きなソファは,ここの部屋に置かれていたソファの一つ。小さなお部屋みたいになっている)。それでおしゃべりが活発になりすぎてしまうこともあって,なんと!デシベルを測っているそうな。録音はしていないよ!と強調していましたが,デシベルが高くなりすぎると,誰かが注意するんでしょうか?このラーニングコモンズがある建物,入ってすぐのところに,ラジオ・スタジオがありました。学生がDJをして構内にラジオが流れているそうで。いやぁ,欧米の大学は,ほんとうに,学生の自治を尊重するよなあ!

 そして最後に見たのが,シュトゥットガルト大学の図書館。この三つめに来て,共通点として気がついたのが,テュービンゲン大学の図書館と同様,複本が結構あるなあ,ということ。教科書的なものは複本を躊躇なく入れている模様。そして,サービスデスクは入り口近くの一つしか開いていなくて,もっと奥の方にもデスクはあるけど人がいない(閉じている)ということ。あと,お取り置きの図書は,自分で取っていく形式だということ(写真はシュトゥットガルト大学の棚)。合理化が進んでますわ。人間は,専門的なサービスの設計,提供にあたっていると推測しました。

 さて,あとは,先ほど言及した,市立図書館の見学をしていますが,こちらはツイートにて。サマースクールのことも,ツイートします。ツイートの方が短くて,いちおう,立教大学official twitterなので,慎重にしかツイートできませんが,まあやっぱり,ラクかな。ブログはそれなりに時間かかって。ブログではなにかしらオチをつけようとしているのかな,もしかして私(笑)。いや,ついてないけど。