LOVE タッカー・カールソン Tucker Carlson

 アメリカの保守系メディアの代表であるFox Newsで平日の夜,Tucker Carlson Tonightという番組をもっていた同氏が退職を発表して話題になっている。このブログエントリを書こうと思う直前,以下のようなツイートを見かけた。

まったく同じ気もちだ。私がタッカー・カールソンにここまで共感する日が来ようとは,3年前には誰も予見できるはずもなかった。自分自身も,想像できなかった。

 これまた保守系の団体だが,Heritage Foundationという団体の50周年のお祝いのディナーパーティに数日前に呼ばれたタッカー・カールソンがしたスピーチの覚悟あるさま,力強いこと。

 この映像の後半,対談があるのだが,18分を過ぎたあたりからが必見。過去10年ほどの間に社会的,文化的に起きた変化の中でアメリカ人に最も大きな影響を与えたことは何かという問いに,タッカーは,情報が欠けていることと答えた。ほんとうにそのとおりだと思うのだ。多くの情報があるようにみえて,まやかしの情報が多く,真実がみえなくなっている。

 タッカーは続けて,物理的な本を捨てないこと,また実際に会うという人(や犬!)との関係を無くしてはならないことを述べた。それらは「smell」できるものだから信頼できるのだと。(金(ゴールド)と武器にまで口を滑らせて言及しているが,そこは彼が大事だと言いたかったところではないと私は思った。)

 そして,自分のいるところ(コミュニティ)で,明日,一番に考えるべきことは何かと問われたタッカーは,「毎日,愛している人に愛していると言うこと」だと答えた。それはなぜかというと,(聖書に「初めに、ことばがあった。」とあるように)言葉こそが私たちがもっている最も重要で最も力強いもので,声に出して言うことで現実になる。また,しっかりと言語で表現することで,同時に人は向き合っていないある真実を認めることになる。それは,私たちは誰も,今日起きることを知らない,死ぬかもしれない,そのことを毎日,思い出すことで,これは逆説的なことだが,それゆえに私たちは喜び(joy)を感じることになるからだと。

 ほんとうに今,見る価値のある講演であり,対談だと思いました。