人生の十冊

 学生の倍くらい生きている、という歳になって、いよいよ、教師をしているのが、楽しくなってきたなと感じます。というのは、自分の大学生時代を、対象化してみることができるようになってきたから、というのが自己分析です(ほんとか?)。
 先日、『指輪物語』が人生の十冊の一冊と書いたのですが、書いて思い出したら、そのあと1日、2日、電車で座っていたら、指輪物語を読んでいたときの幸せな気もちがもどってきて、トランスしてしまい、参りました。ファンタジーの力ですな。
 それで、ここ数日、残る九冊について、ぼーっとするたびに、考えてみました。私は、自分が、今の年齢の倍の歳まではどうやっても生きると思っていないので、また、このあとの人生が、これまでの人生よりも学びがない、などとは思えないので、今回は、人生の十冊のうち、前半生分の五冊を、あげることにして考えました。学生さんには、これらを読んで欲しいということではまったくないけれど、学生時代(ほとんどは学部時代)に少なくとも私は、そのあとの人生に深い影響を与えるような読書経験ができたことを伝えて、読書を心から勧めたいと思います。(ちなみに今、私は、ほとんど、こういう読書をする時間は見つけられないです、、)
 これから約1年のあいだに、『指輪物語』以外の4冊についても、なぜ人生の十冊に入るのか、書いていければと思います。以下、学問上、大いに学んだものでも、学術書は除いて考えました!順不同です。
 『指輪物語
 『三酔人経綸問答』
 『伸子』
 「無名草子」
 『プラハの春』(上)(下)
 次点として、『西国立志篇』と『ハリール・ジブラーンの詩』。
 そして、大学時代に学んだ高橋正治先生と今道友信先生のご著書はどれも、人生の十冊とかなんとかそいう枠組みで語りたくないですね。ぜんぶが、総体として、私に、日々、私の生き方の問い直しを迫ってくるような気がします(研究者として、教師として、また人間として、この世に生を受けたことに、どう真摯に向き合うか、取り組むか、といういことですね)。