その他

図書館とは関係ない話 ~好きであること~

思い出話。高校生が読んだら,おお,”先生”と呼ばれる職業についた人にも,職業探しで苦労した経験をしたことがあるのかくらいは思うかもねと思って書いてみる。 図書館情報学研究,また司書課程履修生には音楽好きが多いと思う。日本図書館情報学会には交響…

情報を整理して提示するということ

情報をいかに発信するかの文化の差を語るとてもいい機会だと感じるので,今度は,日英米の新型コロナウィルスについての特集ページを並べてみよう。 厚生労働省の特集ページ www.mhlw.go.jp 首相官邸による新型コロナウイルスお役立ち情報(首相官邸のホーム…

専門家と政治家

過去1ヶ月強,英語と日本語で新型コロナウィルスの情報を見てきたのだが,この問題の英語のメディアでの取り扱いがじょじょに大きくなってきて,情報量が増え,やっと私も少し落ち着いた気がしてきた。英語のコミュニケーションというのは,マスコミでも研究…

LGBTQ in libraries

Netflixのオリジナル番組で,毎回泣ける?クィア・アイ。このメンバーをアメリカ議会図書館が呼んでイベントをしていたことを最近,知った。6月はPride monthと呼ばれる(正式には"Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender and Queer (LGBTQ) Pride Month")。…

(続)『アメリカの恩寵:宗教は社会をいかに分かち,結びつけるのか』

標記,先週土曜日に,宇野重規先生がとってもスマートでシャープな書評を書かれた後ですが,懲りずに言葉を足そうとするわたくしです。前回のエントリで書いた以下について。 アメリカは極端な世俗化はきっとしない。そして世界も。少なくともすぐにはしない…

『アメリカの恩寵:宗教は社会をいかに分かち,結びつけるのか』

さて,この本です。 アメリカの図書館とテクノロジーの動向を紹介しているつもりのこのツイッターですが、アメリカを語るならやっぱりもっと深くアメリカを理解しなければならないのだろうと改めて思わされる分厚~い本が届きました。Episcopal Church系の立…

『St. Paul's Librarian』2017年度号発行+ブロックチェーンの話の続き

立教大学司書課程紀要St. Paul's Librarianの2017年度号(No.32)を発行しておりましたが,昨日,学術リポジトリでも公開しました(こちら)。目玉はもちろん,昨年のサンドラ・博士の講演会記録ですね。そして,11月に行った公開シンポジウム「図書館・文書…

Google Chromeの拡張機能

昨日,ブリタニカの百科事典が,グーグルの検索結果の右側(スニペットと言うそうな)に現れてくるというChromeの拡張機能についてのニュースを見た(これ)。びっくりして早速入れてみた。これはすごい。 価値のある情報は有料なんだよ〜!っていうメッセー…

40代が老害になる時代

昨年あたりから、「老害」にならないようにせねば、としばしば思うようになった。将来のことを話しているのではない、今、自分(40代半ば過ぎ)が老害になっているのではないかという恐怖と戦っているという話。 私だけが思っているわけでもあるまいと、今、…

『私はコーヒーで世界を変えることにした。』

GWは、本学は授業日が何日かあって、ぜんぜん特別な週ではなかった気がするのですが、それでも娯楽に費やす時間はいつもより取れました。そんな中で、仕事について考えさせられるできごとがいくつかあり、いいなあ、若者・お子さまも読んだらいいんじゃない…

2017年度総括

2017-2018の年末年始がfamily mattersで終わり,2017年を振り返る時間も精神的な余裕も何も無かった。そのうえ,2018年,年始早々に陸前高田に出張したら,帰宅の夜にノロを発症し,予定どおり仕事をはじめられず。その後も今月は,先週までは職場も家もバタ…

立教大学司書課程HP公開!

私としては,けっこうがんばりました。こちらです。と言いながら,実は新入生・在学生たちに配ってた文書をベースにしているのですが(笑)。でもでも,講師紹介や修了生・在学生メッセージはイチから作りましたぞ。みなさま,ご協力,ほんとうにありがとう…

何を読んだらいいのか,何を薦めるか

いやあ,今朝,ビル・ゲイツのブログのエントリの多くが,彼が読んだ本の紹介だっていうことにやっと気づきましたよ。今日のエントリは,これなのだけれど,同じ内容を肉声で話して素敵なムービーにしてyoutubeにもあげてるのね〜。いいわ〜いいわ〜。こうい…

映画「ブレンダンとケルズの秘密」

「図書館概論」や「図書・図書館史」で,中世の図書の世界を示したい,写本,写字生を具体的に見せたいというとき,「薔薇の名前」の映画を見せている先生はけっこういるのではないかと思う。20年ほど前になるが,私が学部生だったときにも何かの授業で一部…

『われらの子ども』

もう20年以上前のことになっているが、教育学をやっぱり学びたいと考えて大学院に進学した(学部時代は国文学を専攻していたので、専攻を変えたのだ)。そのときに漠然と考えていたのは、親とは違う関係性で子どもと関わる存在になりたい、ということであっ…

アウシュビッツ。。。

なるべく感情的にならないで、もう少しだけアウシュビッツについて書いておこうと思います。 こちら、アバディーンに来てから、2つの学校図書館と、公共図書館と大学図書館を1館ずつを見学しました。明日、最後に1館、大学図書館を見学するつもりです。これ…

シラキュースから学校司書のモデルカリキュラムに一言

調査をしようと、シラキュース大学に昨日から来ています。車を借りなかったら、思っていたよりも田舎というか、ド大学町のようで、キャンパスに止め置かれているかのようになっております(笑)。アメリカでLISの名門校とされるところって(一例としてUS New…

学校司書の資格・養成等に関する作業部会(第1回)配付資料を見て

こちらに上がっており、見ました。資料8、9に脱力。 特に、資料9の表5にあがっているようなことを、現在の司書資格付与プログラムと司書教諭資格付与プログラム、そして教員免許状付与プログラムの中で、私が勤務校でやるとなった場合、授業が大混乱すること…

ひーーここまでだったか、学校司書の雇用実態(都立高校)

「東京都立高校・学校図書館(室)管理業務委託のおぞましい実態」なるブログ記事を読んで(著者に了解を得ていないのでリンクは貼りませんが、検索すればすぐ出てきます)、はてなブックマークの同ブログ記事に対するコメント欄を読んだ。いやあ、驚きです。…

学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議(第4回)議事録等

いやあ、標記の議事録と配布資料を見て、ほんとうにクラクラシマシタ。 第4回議事録の冒頭の「第3回会議におきまして、加藤委員よりヒアリング団体に対し、質問を行いたい委員もいるのではないかとの御発案がありました。これに関して、武島委員より御質問が…

来週末は森美術館→立教大学へ?!

森美術館で開催中の村上隆センセーの五百羅漢図展、やっと行ってきました。ドーハ、ベルサイユ宮殿、でおもしろそーなことをやっていても、そこまでは行けるわけもございませんでした。やっと、東京で、ということで、楽しみにしていましたが、はじまってみ…

「図書館の自由」と学校図書館の話もう少し

前回のエントリで、日本の学校図書館関係者による図書館の自由の"偏"重が戦後の学校図書館史に及ぼした影響について示唆した。そのことをつらつら考えていたら、勤務先の修士論文の公開審査会で、堀尾輝久先生の国民の教育権論について取りあげたものがあり…

『大学図書館専門職員の歴史:戦後日本で設置・教育を妨げた要因とは』

標記のご本を、著者の利根川樹美子さんからお送りいただきまして、この戦後の図書館史研究がこうして1冊の本にまとまったのを見て、その"迫力"に、一言書こうと思いました。その時代を知る人もまだ多く生きている戦後史が、こうして詳細に、かつある意味で大…

某調査研究協力者会議の議事録を読んで。

いやあ。理屈に合わない制度を作ってしまってそれに基づいて何かしようとすると、こんなに混乱して大変なんですね、っていうのが感想です。原点に立ち返って制度を修正するのは早い方がいいと思うけど、法改正直後ではそんな議論できるわけもないし、このま…

「多文化」と図書館

ちょっと、思索不十分な話題で、断片的な書き方になりますが。 図書館の多文化サービス(multicultural library services)は、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリアの図書館の実践なんかが基本的には好意的に紹介されてきて、日本でも当たり前のように行…

フランスの学園モノ映画

久しぶりにフランス映画を観た。「パリ20区、僕たちのクラス」。 ここ数年で、フランスの学校図書館の紹介が増えているので、フランスの学校についても知りたいと思われた方にはお薦めかも。パリの中でも移民の多いエリアの中学校のお話。私はフランスの学校…

インサイド・ヘッドにアメリカを見る

またピクサーの映画。ネタバレまではしたくないし、ちょっとだけ書く。 まず、原タイトルはInsideout。改めて、なんでタイトルを変えるかなと思う。意味、違う気がするんだけど。かつ、はっきり申しまして、冒頭の、日本配給向けのミュージックビデオ、ほん…

「お願いだからやめて」

昨日の安保関連法案の衆院特別委員会での採決の記事で、辻元清美氏が最後、「お願いだからやめて」と委員長に詰め寄って叫んでいたという記事を読み、映像を見て、ほんとうにしみじみしてしまった。昨日の私の気もちは、お願いだからやめて(涙)、とはちょ…

食と教育

「Fed Up」という映画をご存知でしょうか。私は、先日、妹から教えてもらって知りました。日本語でも、議論しているウェブページはあるので、検索してみてください。とはいっても、紹介しておきながら、私はまだ観られておりません。ただ、ちょっとこの後、…

反知性主義と向き合う

図書館の関係者が、私たちは知的自由を守るのだ、という主張は今や聞き飽きるほど言われているが、図書館の営みは反知性主義と闘うことでもあるなあ、知的自由と反知性主義の関係はどうとらえたらいいのかしら、と最近よく思う。 雑誌『現代思想』の2月号の…