Google Chromeの拡張機能

 昨日,ブリタニカの百科事典が,グーグルの検索結果の右側(スニペットと言うそうな)に現れてくるというChrome拡張機能についてのニュースを見た(これ)。びっくりして早速入れてみた。これはすごい。
 価値のある情報は有料なんだよ〜!っていうメッセージを,ブリタニカのような伝統的出版者は言いたいわけですが,実際のところ,ググった後,wikipediaまでは見ても,もう一度,Briitanicaを開いてもらうっていうのはけっこうハードルがあるのだと思うのですね。大半の人はしないでしょう(ライブラリアンはするかもしれないが)。なので,google上でこうやって存在感を示して,実感してもらうより他ない,という判断なのでしょう。Chromeウェブストアから入れてぜひ試してみてください。英語で,French Revolutionとかって検索すると,うまく見られます。もちろん,無料ですよ。
 ちなみに,同じChromeウェブストアから,「カーリル」とかって入れて検索してみてください。もうみなさん知っておられるかもしれませんが,「その本、図書館にあります。」というのが出てきます。入れてみてください。Amazonでの無駄遣いが減りますよ(笑)。まあ,図書館の無料貸本屋化を勧めたいわけじゃないのですが,よくできたプログラムだなあと本当に関心しますよ。
 
 今日,最初に紹介したニュースの下の方に,「オンライン百科事典「Everipedia」がブロックチェーン導入で目指すもの」っていう記事へのリンクがあります。これもすごく面白いです。最近,ブロックチェーンの図書館への適用について,考えています。私は技術的にしっかりわかるというところまではいけそうにもないですが,インターネットと同じくらいの革命を起こすと言われている技術ですので,注目しています。ちなみに,昨年,招聘研究員として本学司書課程にいらしてくださったサンドラ・ハーッシュ博士のサンノゼの大学院では,先日,ブロックチェーンに関するオンラインのコンフェレンスを開催したんですね。ここに記録がまとまっていますが,キーノートスピーチだけでも,ごらんになるとすごく刺激を受けられると思います(英語です)。ブロックチェーン技術が図書館や情報管理・情報共有の世界をどう変えるかを想像すると,今の,図書館を含む,社会のあり方がどれだけ塗りかえられるのだろうと,わくわくします。中央集権的な社会(近代国家)のあり方は限界が来ている。21世紀のうちに,テクノロジーが牽引して,後近代の新しい社会への移行がかなり具体的に起きるかもしれないですね。